古事記

オオナムジノカミがスサノオノミコトが住んでいる神殿に着くと、スサノオノミコトの娘、スセリヒメと出会い、お互いに惹かれ合ってすぐに結婚しました。スセリヒメがスサノオノミコトにオオナムジノカミを取り次ぎました。「とても素敵な殿方がいらっしゃいました。」「アシハラノシコオトコか。よく来た。」そう言って、オオナムジノカミを蛇の部屋へ案内し、そこで寝るように伝えました。

驚いたのはオオナムジノカミ。見かねたスセリヒメがオオナムジノカミに蛇除けの布を渡して助けます。無事に朝を迎えたオオナムジノカミに、今度はムカデと蜂の部屋で寝させましたが、今度もスセリヒメが助け、ケガすることなく眠ることができました。しかし、スサノオノミコトはさらなる試練をオオナムジノカミに与えます。

かぶらがついた矢を野原に放ち、「とってこい!」オオナムジノカミが矢を探しに走り出すと、スサノオノミコトは野原に火を放ちました。火は、あっという間に広がってオオナムジノカミを襲ってきます。

その時、ねずみの声が聞こえました。「内はほらほら、外はすぶすぶ。」ねずみに近づくと、ドスン!大きな穴に落ちてしまいましたが、そのお陰で、火に焼かれずに済みました。火が下火になったころ、ねずみが矢を持ってきてくれました。オオナムジノカミは、その矢をしっかりと握りしめてスサノオノミコトの元へ帰りました。

驚いたスサノオノミコトは、オオナムジノカミを家へ連れていき、自分の頭のシラミをとらせました。頭を覗くと、そこにいたのはシラミではなくてムカデ!それを見たスセリヒメは、またもオオナムジノカミを助けます。そのうちにスサノオノミコトは眠ってしまいました。

オオナムジノカミは、スサノオノミコトの髪を神殿の柱にしっかりと結び、スセリヒメを背負い、生太刀と生弓矢、天の沼琴を持って走りだしました。その時、天の沼琴が木の枝に触れて音が鳴り響きました。目を覚まし、事態を悟ったスサノオノミコトはものすごい勢いで追ってきます。しかし、オオナムジノカミは、地上界との境目まで来ていました。もう捕まえることはできません。

「その生太刀と生弓矢で兄神たちをやつけてしまえ!そしてお前は、オオクニヌシノカミ、ウツシクニタマノカミとなって国を作り、スセリヒメを正妻にせよ!わかったな!こいつめ!」スサノオノミコトの声が響きました。

オオクニヌシノカミの誕生です。オオクニヌシノカミは、スサノオノミコトに言われた通り、兄神たちを追い詰めてやっつけ、国造りを始めました。

大国ちゃま大国ちゃま

オオクニヌシノカミには、オオナムジノカミ、アシハラノシコオトコ、ヤチホコノカミ、ウツシクニタマノカミなどの呼び名があるぞ。

オオクニヌシノカミの正妻はスセリヒメだが、そのほかに、ヤガミヒメ(稲羽の白兎の神様)、イチキシマヒメ、トトリヒメ、ヌナカワヒメ、、、数人とも結婚されていたとされておる。

弁天ちゃま弁天ちゃま

ネズミがオオナムジノカミを助けたことから、オオクニヌシノカミの神使は、ねずみとされておりますわ。