古事記

困った神々は、天の安川に集まって緊急会議を開いたものの、良い案は見つからず、知恵者のオモイカネノカミに相談をすると、「祭りをしましょう。」

まず、ニワトリが集められて一斉に鳴きました。イシコドリメノミコトに鏡を作らせ、タマノオヤノミコトに命じて勾玉をたくさんつけた飾りを作らせました。そして、アメノコヤネノミコトフトタマノミコトが占いをすると、にぎやかなお祭りが始まりました。

天の岩戸のすぐ脇には、力持ちのタヂカラオノカミが隠れています。神楽が始まると、アメノウズメノカミが踊りだし、高天原の神々の笑い声が響き渡りました。

不思議に思ったのがアマテラスオオミカミ。「私がいないから真っ暗なはずなのに、どうしてこんなににぎやかなのでしょう?」そう思って岩戸を少し開けると、隠れていたタヂカラオノカミがアマテラスオオミカミの腕をつかんで外へ引きずり出し、すかさずフトタマノミコトが天の岩戸にしめ縄を張り、二度と入れなくしました。こうして、高天原と葦原の中つ国が再び明るくなったのです。

「アマテラスオオミカミが天の岩戸にお隠れになったのはスサノオノミコトの乱暴のせいです!追放しましょう!」高天原の神々は、スサノオノミコトのヒゲを剃り、爪を抜いて追放しました。