古事記

追放されたスサノオノミコトは、イザナミノカミが眠る黄泉の国へ行く前に、高天原にいるアマテラスオオミカミに会いに行きました。スサノオノミコトが1歩歩くたびに地響きが起こり、高天原では大騒ぎ。 

「スサノオノミコトは高天原を奪うつもりかも知れない!」そう思ったアマテラスオオミカミは、髪を男性の髪形に変え、弓矢を持ち、完全武装で待ち構えていました。

「スサノオノミコト!何しに来た!」アマテラスオオミカミの姿に驚いたのはスサノオノミコト。「どうしたのです?姉さん。私はあいさつに来ただけです。」「うそをつけ!高天原を奪いに来ただろう!」「まさか!そんなつもりはありません。」「うそではないという証拠はあるのか?」「では、姉さんと私で誓約(うけひ)をしましょう。」

2柱の神様は、天の安川を挟んで立ちました。アマテラスオオミカミが、スサノオノミコトが持っていた十拳の剣(とつかのつるぎ)をかみ砕いて、噴き出した霧から成ったのは、タギリヒメノミコト(長女)、イチキシマヒメノミコト(次女)、タギツヒメノミコト(三女)。3柱の女神でした。

スサノオノミコトが、アマテラスオオミカミの勾玉をかみ砕いて、吹きだした霧から成ったのは、アメノオシホミミノミコト、アメノホヒノミコト、アマツヒコネノミコト、イクツヒコネノミコト、クマノクスビノミコト。5柱の男神でした。

5柱の男神は、アマテラスオオミカミの持ち物から成ったのでアマテラスオオミカミの子。3柱の女神は、スサノオノミコトの持ち物から成ったのでスサノオノミコトの子。

「やったー!私の心が清らかだから女神が生まれたのです。私の勝ちです!」そう言うと、スサノオノミコトはアマテラスオオミカミの田の畔を壊し、溝を埋め、神殿にクソをまき散らして大暴れ。けれど、アマテラスオオミカミはスサノオノミコトを責めませんでした。

ある日、スサノオノミコトは、機織り小屋の屋根に穴をあけ、そこから馬を投げ込みました。そこにいた機織女は驚いて、機織り機械に突き刺さって死んでしまいました。アマテラスオオミカミは、嘆き悲しみ、天の岩戸にこもってしまいました。そうすると、高天原も葦原の中つ国も暗闇に包まれ、災いが起きだしたのです。

大国ちゃま大国ちゃま

タギリヒメノミコト、イチキシマヒメノミコト、タギツヒメノミコトの3柱の神は「宗像三女伸」と呼ばれているぞ。